学校教育とSDGs

2020年9月6日

未来の学校とは

皆さんは「未来の学校」はどんな姿だと思っているでしょうか?

ひょっとすると、文科省では皆さんが考えているよりももっと大胆な構想を描いているのかもしれません。昨年の8月に学習院大学で日本教育学会第78回大会が開催された際に、「持続可能な社会と教育」というシンポジウムに合田哲雄氏(現在:文科省科学技術・学術総括官)を招き、今後の学校教育について語っていただきました。合田氏は新学習指導要領の取り纏め責任者だった方です。そのシンポジウムで合田氏が今後の学校教育の方向性として挙げたのが、これまで以上に学年や教科といった垣根が相対的に低くなるということ、と、学校がすべての知識を持っていて独占的に子供たちを教育するのではなくて、大学や研究機関、図書館、NPOなど様々な機関が、子供をアクティブ・ラーナーにするために連携する、という二つのポイントでした。

少し前置きが長くなりましたが、8月4日に東京市ヶ谷の私学会館で教育調査研究所主催の教育展望WEBセミナーの収録が行われました。そこで約30分間、これからの学校教育においてSDGsがますます重視されることを話しました。また、とりわけ注目できる実践事例として紹介したのが、昨年のESD大賞の小学校賞を受賞した杉並区立西田小学校で2月に開催した「NISHITA未来の学校」です。そこでは下の写真のように、体育館でポスターセッションが行われたのですが、大人も子どもも同じ立場で発表し、質問していました。

文科省が未来の学校の在り方として描いたのは「様々な機関が、子供をアクティブ・ラーナーにする」という子どもたちに向かう一方通行の矢印でしたが、「NISHITA未来の学校」で展開されたのは双方通行であったことを、下の図で示しました。

また、参加者からの質問への回答として、これからの学校教育では、「〇〇を教育する」「△△を指導する」「□□を育成する」「☆☆を評価する」といった「他動詞の世界」に替わって「自動詞の世界」の拡大が求められることを述べました。なお、同セミナーの私が参加したセッションについては、教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が教育情報誌『内外教育』で1ページ余りのスペースで概要を紹介しています。

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